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ホーム車検編



足廻り点検


足廻り点検を理解する上でドラムブレーキの基礎をご存知かどうかは非常に重要です。
ドラムブレーキについてご存知ない場合は今回の内容で分かりにくい部分が多数出てくる
可能性がありますので、まずは「ドラムブレーキとは?」をご覧ください。

それでは恒例の点検項目一覧を挙げておきます。

【足廻り点検項目一覧】

・ホイールアライメント

・ブレーキマスタシリンダの機能、磨耗、損傷
・ブレーキホイールシリンダの機能、磨耗、損傷
・ブレーキディスクキャリパの機能、磨耗、損傷

・ブレーキマスタシリンダの液漏れ
・ブレーキホイールシリンダの液漏れ
・ブレーキディスクキャリパの液漏れ

・ブレーキドラムとライニングとのすき間
・ブレーキシューの摺動部分、ライニングの磨耗
・ブレーキドラムの磨耗、損傷

・ブレーキディスクとパッドのすき間
・ブレーキパッドの磨耗
・ブレーキディスクの磨耗、損傷

・タイヤの空気圧
・タイヤの亀裂、損傷
・タイヤの溝の深さ、異常な磨耗
・スペアタイヤの空気圧

・ホイールのボルト、ナットの緩み

・フロントホイールベアリングのがた
・リヤホイールベアリングのがた

・サスペンションの取り付け部、連結部の緩み、がた
・サスペンションの各部の損傷
・ショックアブソーバの損傷、オイルの漏れ


以上が法律で定められている足廻り点検項目です。
かなりボリュームがありますが、順番に進めていきますね♪


まず「ホイールアライメント」ですね。

一般的にホイールアライメントと言えば

・キャンバ(車を正面から見たタイヤの角度)
・キャスタ(車を真横から見たハンドルとタイヤとの角度)
・トーイン(車を真上から見たタイヤの角度)


と言った物がありますが、実は正確に測定するのはとても手間がかかります。
上記の3項目を調整するとなると(キャンバ・キャスタを調整できない車もあります)
工賃だけでも数万円かかるのが普通です。
となると、車検毎に行っていたらとても大変な事になりますよね。

ですので、ホイールアライメントは

「大きく狂っていなければ問題なし!」

という判断をします。

大きく狂っているかどうかをどのように判断するかと言えば、一番有効な判断基準となるのは
「タイヤの減り方」です。
タイヤの内側だけ減っていたり、一つのタイヤだけが異常に減りが早かったりという不自然な痕跡が
残っているとホイールアライメントの狂いを疑います。

高めの縁石にタイヤを強くぶつけてしまうだけでホイールアライメントは狂ってしまう原因となりますので、
大きな段差や縁石を乗り越える必要があるときはできるだけ速度を落として走行しましょう。

車検で唯一調整する可能性があるホイールアライメントは「トーイン」ですね。
これは「サイドスリップの調整方法」でご説明しておりますので気になる方は参考にしてくださいね♪


次に「ブレーキマスタシリンダの機能、磨耗、損傷」ですね。
ブレーキ装置に磨耗や損傷があると基本的には液漏れも同時発生している事がほとんどですので、
「ブレーキマスタシリンダの液漏れ」も同時に点検します。

ここで言う「機能」とは見てわかる物ではなく、実際にブレーキを作動させてみて問題なく作動しているかです。
異常にブレーキペダルのストロークが多い(踏み抜け)場合は機能としてはもちろんの事、「磨耗」による
「液漏れ」や「損傷」が疑われます。

ブレーキ装置の点検で非常に重要なのが、実際にブレーキを踏んだ時の感触です。
固すぎたり柔らかすぎると何らかの問題を抱えている可能性がありますので、点検もかなり慎重になります。

主に漏れが発生する箇所や実際に漏れている様子をご覧ください。


マスタシリンダの点検箇所マスタシリンダの点検箇所


黄色い点線部分が頻繁に漏れを発見できる重要ポイントです。
とは言っても、ブレーキマスタシリンダはマスタパワーと連結していますので、一番漏れが多い裏側部分を
直接見ることができません。

その見えない裏側から漏れてきたブレーキフルードが、右側の点線部に流れ出てくるという流れです。

せっかくですので、一番漏れが発生する裏側をご覧下さい。(写真はクラッチマスタシリンダです)


クラッチマスタシリンダの液漏れクラッチマスタシリンダの液漏れ


まだまだ重症ではないですが、このまま走行を続けると圧力が抜けてペダルを踏んでもスカスカになります。
私は見事にスカスカになった経験があります…。
クラッチペダルだったのでまだ助かりましたが、あればブレーキペダルだったら一大事でしたね(汗)

写真のようにブレーキフルードが見えないところで漏れている事があるのです。

考えられる原因としては、マスタシリンダの内部にあるピストンカップの「磨耗」や「損傷」によりできた通り道
からブレーキフルードが漏れたのでしょう。


ピストンカップ損傷ピストンカップ損傷


左の大きな黄色い矢印がブレーキ圧がかかる方向で、損傷したカップの通り道から圧が抜けている様子です。

次に「ブレーキホイールシリンダの機能、磨耗、損傷」です。
もちろん「ブレーキホイールシリンダの液漏れ」も先程と同様に同時に点検します。

機能に関してはブレーキを踏んだ感触に異常が無ければ特に問題ないとは思いますが、
たまにホイールシリンダのピストンが固着し、片側のピストンしか動いてなかったり
全く作動していなかったりというケースがあります。
しかしごく稀ですので普通はありません。
ホイールシリンダの左右のピストンがほぼ均等に出ていれば機能上は問題ないでしょう。

やはりメインの点検は液漏れです。少しの漏れが後々大きな漏れへと発展しますので、
慎重に点検します。


ホイールシリンダの点検箇所ホイールシリンダの点検箇所


黄色い点線部分が頻繁に漏れを発見できる重要ポイントです。

ホイールシリンダに関しては、パッと見で漏れが無くても油断できません。

点線で囲んだカップをめくると、内側で漏れが発生していてブレーキフルードがドバッと流れ出てくる
事があります。

ですので、ホイールシリンダに関してはパッと見だけではなくカップの内側を見る必要があるのです。


さて次は「ブレーキディスクキャリパの機能、磨耗、損傷、液漏れ」ですね。

ブレーキキャリパの機能もやはり実際にブレーキを踏んだ感触で判断しますね。
もちろんしっかりと分解して細かい構成部品を点検する事も可能ですが、時間の制約が
ある車検整備ではそこまでやっていないでしょう…。

また磨耗に関しては、主にブレーキパッドが磨耗していますのでキャリパ自体が機能に影響が出るほど
磨耗する事はほとんどありません。
何らかの問題を抱えた状態で走行を続けていれば有り得るかもしれませんが、キャリパの
磨耗に関してはあまり意識しません。

もし磨耗という観点で見るとすれば、ブレーキパッドを抑えている板状のスプリング
(パッドスプリング)の磨耗や劣化を見るくらいでしょう。

「キャリパのピストンの磨耗は?」

という声が聞こえてきそうですが、順番的にはピストンの磨耗を意識する前に液漏れを
発見しているはずです。

液漏れ発見⇒原因探求⇒ピストンの磨耗による漏れ

という流れが自然だと思います。

次に損傷ですが、もしキャリパ本体が損傷していたらまともにブレーキが作動していない
状況ではないかと思います。
ですので、やはりキャリパの構成部品をメインに点検します。

実際の車検整備を見てみると、ブレーキパッドの残量を点検し、どこからも漏れが無いか
をざっと目視で確認する程度だと思いますが…。


ブレーキキャリパの点検箇所ブレーキキャリパの点検箇所


黄色い点線部分が頻繁に漏れを発見できる重要ポイントです。

ブレーキホースとキャリパの接合部やブレーキフルードのエア抜き用に設置されているバルブの
部分などが漏れを発見しやすいポイントです。


キャリパピストンも点検キャリパピストンも点検


また、キャリパの穴からキャリパピストンを覗いて漏れがないか確認します。
この時、ピストンに塗られている「グリス」を漏れと判断してしまわない事が重要です。


ブレーキパッドの残量点検ブレーキパッドの残量点検


ブレーキパッドの残量点検ですが、法律で定められている最低残量は「1.6mm以上」ですので、
1.6mm以上あれば車検は合格します。

ただ、3mm以下であればすぐに交換時期が来てしまいますので車検ついでに交換する場合が多いです。

個人的には、たった1mmでも数ヶ月持ちますのでついでに交換はとても勿体ないなぁと…。
人それぞれ考え方が違いますので一概には言えませんけどね(汗)


では一休止という事で、改めて残りの点検項目を見て見ましょう。

【足廻り点検項目一覧(残り)】

・ブレーキディスクとパッドのすき間
・ブレーキパッドの磨耗
・ブレーキディスクの磨耗、損傷

・タイヤの空気圧
・タイヤの亀裂、損傷
・タイヤの溝の深さ、異常な磨耗
・スペアタイヤの空気圧

・ホイールのボルト、ナットの緩み

・フロントホイールベアリングのがた
・リヤホイールベアリングのがた

・サスペンションの取り付け部、連結部の緩み、がた
・サスペンションの各部の損傷
・ショックアブソーバの損傷、オイルの漏れ


それでは引き続き順番に進めていきます。


まず「ブレーキパッドとディスクのすき間」ですね。

ディスクブレーキというのは構造上、ブレーキパッドとブレーキディスクとの間にほとんど
すき間を設けていません。

その理由は、すき間が大きかったらブレーキを踏んでいない時にブレーキパッドが
暴れて異音の原因となるからです。
また、ブレーキを踏んでブレーキパッドがブレーキディスクを押さえつけるまでの
タイムラグが発生してしまいます。

という事で、ブレーキパッドとディスクのすき間はできるだけ少なくなっています。
ただ、少なすぎると常にブレーキが効いた状態となってブレーキディスクの異常な加熱の原因
となってしまったり、ブレーキパッドの磨耗が早くなったりタイヤの回転抵抗となって燃費が悪化したり
と悪い事だらけです。

すき間が広すぎても駄目だし狭すぎても駄目。
とにかくギリギリのすき間が求められるのです。

実際にはほんの少しパッドがディスクに触れる程度のすき間になっています。

さて非常に重要なすき間の点検方法ですが、基本的な判断基準としては

「手でハブ(タイヤを取り付ける部分)を回して回るかどうか?」

です。


ブレーキパッドとディスクのすき間点検ブレーキパッドとディスクのすき間点検


ハブ(タイヤを取り付ける場所)を手で回し、回ればすき間は保たれていると判断します。

駆動輪(FF車なら前輪)はとても重たいですが、すき間が保たれていれば手で回ります。
もちろん片手で回す必要は無く、両手で回ればOKです。

AT車で駆動輪を回す時は、ニュートラルレンジに入れておくとスムーズに回りますよ♪


手で回す力というのはエンジンの力に比べるととても小さな力ですので、すき間が適度に保たれているかを
判断するにはちょうど良いみたいですね。
構造上、すき間が広すぎる事はありえませんので(ブレーキの踏み代が異常に大きい場合を除きます)
すき間が狭すぎないかを点検しています。

もしすき間が狭すぎる(ブレーキの引きずり大と言います)と、ブレーキキャリパを分解して整備する必要があります。
(ピストンシールの交換)


次に「ブレーキパッドの磨耗」ですね。

親切なお店ですと、車検毎にブレーキパッドを取り出して清掃&給油してくれます。
もちろんブレーキパッドなどが変な磨耗をしていないかもチェックしてくれます。

このように、ブレーキパッドを取り出して各部を点検してみないと分からないような
不具合も多々ありますので、本来はキャリパを分解して点検するべきなのですが…。

時間的制約があるのと、やらなければいけないと規定されていないという両面から
ブレーキパッドの点検は残量だけを目視して(パッドを取り出さずに)終了という
ケースがとても多いのです。

はっきり言って、これだと点検とは言えませんよね。
タイヤさえ外せば残量はチェックできますので、プロじゃなくてもできる仕事です。
となると、車検で多くのお金を払っているのに基本の整備すらやっていない状況が
実際には起こっているのです。


ブレーキパッドの残量点検ブレーキパッドの残量点検


ブレーキパッドの残量はキャリパを分解してパッドを取り出さなくても写真のように確認できます。

タイヤさえ外せば誰でも確認できますので、これだけでブレーキの点検を完了されるとお金を払いたく
無くなりますよね〜。

ただブレーキパッドを必ず分解しなければいけないルールが無いので文句が言えないというのが実状。
ちゃんと整備してくれるお店、整備士を見つけるしか手段がなさそうです(涙)

参考までに、ブレーキパッドは残量が3mm以下になるまで交換する必要は無いです。
平均的な寿命から計算してみると、1mm当たりで5000kmは走行できますので
3mm以上あればまだまだ使える状態です。

という事で、車検を受ける時は

「ブレーキパッドは3mm以下でなければ交換不要です」

と一言添えておくだけでも無駄な交換をされずに済むでしょう。


更に念を押すのであれば、もし交換となったら交換した部品を見せてもらいましょう。

「どんな感じで減っていくのか勉強したいので」

と言えば嫌な客だと思われなくて済みますよ♪


次に「ブレーキディスクの磨耗、損傷」です。

これは基本的には見た目と手触りで判断します。

磨耗に関しては異常な段付き磨耗をしていないかと限度を超えてブレーキディスクが
減っていないかを確認します。

日本車ではあまりディスクが減る事はありませんが、ドイツ車などはブレーキパッド
と同じ頻度で減るようですね。
これはブレーキ装置に対する考え方の違いですので異常ではありません。
設計自体がそのようになっているのです。(ブレーキ鳴きを問題視していません)

損傷に関しては、ブレーキディスクにひび割れ(クラック)が入っていないかを点検します。
もしひび割れが発生していれば、ひびが進行して本格的に割れてしまうといった重大な問題に
なりかねませんので交換が必要です。


次に「タイヤの空気圧」ですが、これはガソリンスタンドなどでも気軽に行う
一般的な空気圧点検の事です。

空気圧は車ごとに定められており、同じ車でもグレードによって違う事も多々あります。
一般的には、車の空気圧は運転席側のドアを開けたフレーム(ピラー)にステッカー
が貼り付けられています。


空気圧ラベル空気圧ラベル


この空気圧ラベルには

・前後タイヤの空気圧
・スペアタイヤの空気圧


が記載されています。

ガソリンスタンドなどで点検する際に参考にしてくださいね。


空気圧点検に少し整備士の観点を付け加えるとすれば、空気圧が異常に抜けていたり
一つのタイヤだけ空気圧が低かったりすると異常を疑うという事でしょうか。

基本的に空気圧は4輪ともに同じペースで抜けていく物です。
もちろん前輪と後輪との前後差はありますが、それを踏まえてもある一定の規則に
従って抜けていきます。
しかし一つのタイヤだけ抜けているとなるとおかしいと感じるわけですね。
何かクギなどの異物が刺さっていないか、ホイールが歪んでいないか?などを
疑いながらタイヤを点検します。

それが次の点検項目である「タイヤの亀裂、損傷」につながります。

空気圧に異常がなくても、経年劣化によるヒビ割れなどがあると危険です。
高速道路などで急に破裂したり、予想以上にゴムのグリップ力が低下していて
車がスピンやスリップにより曲がりきれない原因となります。

またタイヤで一番弱い部分である「サイドウォール(タイヤ側面)への傷」はとても危険です。
タイヤが地面に設置する部分はとても厚く丈夫に作られていますが、サイドウォール
は非常に薄く弱い部分です。
縁石などにタイヤをこすってしまうと、見事にサイドウォールに傷を与える原因となるわけですが、
サイドウォールの傷は1mm程度の深さの傷が入るだけでも破裂の原因となります。
かくいう私も、サイドウォールを少し削ってしまってパンク修理が不可能となり、泣く泣く残り溝
たっぷりのタイヤを交換した経歴を持っています (/_<。)

このように、タイヤの傷は事故に直結するとても危険な事象ですので大切です。
点検時には傷に関して意外と軽視されがちなのですが、とても大切なのです。

タイヤの傷に関しては車検に頼るのではなく、自らの命を自らで守るという観点で
洗車時などに自分で点検する癖をつけましょうね。
人に任せて事故がおき、最悪の事態に陥ったら取り返しがつかないですから…。


次に『タイヤの溝の深さ、異常な磨耗』です。

タイヤの溝の深さに関しては法律で定められた基準値があり、

「溝の深さはいずれの部分においても1.6mm以上とする」

と明示されています。

車検時には所定の記録簿に溝の深さを記録する必要がありますので、専用の冶具を
使って測定をします。
しかし一般の方は普通は所有していないはずですので、タイヤの残り溝が基準値に
適合しているかを瞬時に判断するためのある工夫がされています。

それが「ウエアインジケータ(スリップサイン)」です。

タイヤのサイドウォールに三角マークがあり、三角マークの延長上にある溝の中に
1.6mmの小さな山を作っています。
要はこの小さな山が地面に接触する状態まで溝が無くなった時点で、交換時期がきた
と判断する事ができるのです。
このくらいの残り溝になると、雨の日に水を掻き分ける能力が著しく低下しています。
だから「スリップサイン」とも呼ばれているのです。


三角マーク三角マーク


これが三角マークです。
この三角マークの延長上にある溝を見てみると…


小さな山小さな山


指の先(黄色の枠内)に小さな山があるのが確認できますでしょうか?
少し白くなっている部分です。

周りのタイヤの溝が擦り減り、この小さな山が地面に設置するようになると残り溝が基準値以下に
なっているというサインとなります。

これもご自身で簡単にチェックできますので、洗車の時にでも一度点検してみてください。


次に「スペアタイヤの空気圧」ですが、この点検は全ての車に必要とは言えません。
というのも、最近は自動車の軽量化やスペース確保の為にスペアタイヤを用意していない場合がよくあるのです。
その場合は「パンク修理キット」というものが車載されていますのでこの点検項目は省略されることになります。

それは例外として、通常のスペアタイヤの空気圧の点検はとても重要です。

以前もお話しした事がありますが、スペアタイヤというのは通常のタイヤに比べてとても空気圧が高く
設定されています。(倍以上)
もちろんスペアタイヤとして使う為に必要な空気圧設定なのですが、いざ使用する時に空気圧が抜けていると
全く役に立ちません…。
ですので、車検時だけではなく最低でも1年に1回はスペアタイヤの空気圧を点検しておく必要があります。

スペアタイヤも普通のタイヤと同じように空気圧が抜けていきますので、点検していなければどんどん
空気圧が低くなります。
車検時でもチェックされていない場合がありますので(激安車検など)、通常のタイヤの空気圧点検を
する際についでに点検しておきましょうね。


さぁ長々とお話ししてきた足廻り点検ももう少し!
残りの点検項目を再度確認しておきましょう。

【足廻り点検項目一覧(残り)】

・ホイールのボルト、ナットの緩み

・フロントホイールベアリングのがた
・リヤホイールベアリングのがた

・サスペンションの取り付け部、連結部の緩み、がた
・サスペンションの各部の損傷
・ショックアブソーバの損傷、オイルの漏れ


それでは頑張って進めていきましょう。


まず「ホイールのボルト、ナットの緩み」ですが、通常の車検ではタイヤを車から取り外します。
※スピード車検では外さない所もあるみたいです…。

取り外して各部の点検を行い、最終的に車に取り付ける事になります。
その際にトルクレンチというネジの締め付け力を間違いなく管理できる工具を用いて
ホイールナット(ボルト)を締め付けます。

つまり車検時の点検を受けるという事は、必然的にホイールのボルト、ナットを締め付ける事になりますね。


次に「フロント、リヤホイールベアリングのがた」です。

これは目視ではなく、車をリフトアップ(タイヤを地面から浮かせた状態)で確認する項目です。

車をリフトアップさせ、ホイール(タイヤ)の両端を両手で掴みます。
その状態でホイールを前後に押し引きし、ガタが無いかを確認します。

ホイールベアリングにガタがあると、タイヤの偏磨耗や異音、ハンドルのブレなど走行安定性に大きく
関わりますので交換が必要です。

ワインディングやサーキットなどで横G(横方向の荷重)を頻繁にかける事でホイールベアリングの磨耗が
進みやすくなります。
また走行距離が増える事で当然のように磨耗してきますので、普通に街乗りをしているだけでも
交換が必要になる事があります。


最後に「サスペンションの取り付け部、連結部の緩み、がた」「サスペンションの
各部の損傷」、「ショックアブソーバの損傷、オイルの漏れ」
ですね。

これらは足廻りを点検する際に全て同時に確認していきます。

基本的な手順としては「工具を用いた点検」と「目視点検」があります。

工具を用いた点検というのは、実際にサスペンションを取り付けているボルトなどにメガネレンチなどを
当てて緩んでいないか確認したり、点検ハンマーという通常のハンマーよりも細く作られている工具で
ボルトなどをコンコンと叩き、その音で緩んでいないかを確認していきます。


点検ハンマーでの確認は経験を要しますが、他の部位との音の差というのは結構分かりやすい物です。

「あれ?ちょっと音が鈍いなぁ」

といった違和感を感じれば、メガネレンチなどで締め付け状態を確認するという手順になりますね。

しっかりと締め付けされていれば、部品同士がしっかりと一体化していますので

「キンキン!」

に近い高音が鳴ります。

しかし緩んでいると、部品同士が一体化していませんのでハンマーの衝撃がしっかりと伝わりません。
つまり衝撃が途中で遮断されて鈍い音になるのです。


「サスペンションの各部の損傷」は「目視確認」が主ですね。
周囲の部品と干渉していたり、縁石などに強くぶつかった後が無いかを確認します。
非常に発見しにくいのですが、ヒビ割れも探します。
サスペンションには車の重さの何倍もの力が掛かりますので、ちょっとした損傷が
致命傷になりますので重要な点検項目です。


「ショックアブソーバの損傷、オイルの漏れ」ですが、これはオイルの漏れが主です。
損傷していれば大半がオイル漏れも併発していますので。

ショックアブソーバにオイル漏れが発生していると、車の上下動を緩和させる能力が著しく減ります。(制震能力の低下)
非常に車が安定しない状態ですので、操縦安定性が悪くなって危険な状態です。
また同乗者の方が車酔いしやすい状態でもあります。

ショックアブソーバの損傷は経年劣化もありますが、運が悪ければ思った以上に早い時期で
オイル漏れが発生する事があります。
根本的な原因は一概には言えませんが、私が思うに

・取り付け位置の微妙なズレ(本来の伸縮方向と車の上下動の方向がずれている)
・製作時に起こるフレームのわずかな歪み(取り付け位置のズレと同じ)
・細かな粉塵が多く、稼動部に入り込む


といった原因があると、比較的走行距離が少ない時期に漏れが発生します。

逆に全然乗っていなかった車を急に走らせる事で、ショックアブソーバのオイルが漏れないように
取り付けてあるゴムパッキンが破れて漏れる事もあります。

要するに漏れやすい箇所であると認識していただければいいですね。


長々とお話ししてきた足廻り点検もここまでで終了です!
これだけ長い=車検時の点検で大きな割合を占めるという事です。






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自動車用語中辞典 普及版 

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