カーライフサポートネット

ホーム車検編



エンジンルームの点検


エンジンルームの点検という事ですが、エンジンルームで行う点検内容はどのような物なのかを
まずはお話ししておきましょう。

大前提として、全ての車を対象として作られた点検項目です。

「私の車にはその部品が付いてない」

という場合もありますが、その場合は単純に作業を省略します。

【エンジンルーム点検項目一覧】

・パワーステアリングベルトの緩み、損傷
・パワーステアリングのオイルの漏れ
・パワーステアリングのオイルの量
・パワーステアリングの取り付けの緩み

・オルタネータベルトの緩み、損傷

・スパークプラグの状態

・点火時期
・ディストリビュータのキャップの状態

・バッテリのターミナル部(端子部)の緩み、腐食
・電気配線の接続部の緩み、損傷

・排気ガスの色
・CO、HCの濃度

・エアクリーナエレメントの汚れ、詰まり、損傷

・燃料漏れ

・冷却水の漏れ

・メターリングバルブの状態
・ブローバイガス還元装置の配管の損傷
・燃料蒸発ガス排出抑制装置の配管等の損傷
・燃料排出ガス排出抑制装置のチェックバルブの機能
・チャコールキャニスタの詰まり、損傷
・触媒等の排出ガス減少装置の取り付けの緩み、損傷
・二次空気供給装置の機能
・排気ガス再循環装置の機能
・減速時排気ガス減少装置の機能
・一酸化炭素等発散防止装置の配管の損傷、取り付け状態


と言った感じなのですが、訳わかりませんよね(笑)

聞いた事がある名前もチラホラあると思いますが、特に後半なんて漢字だらけで読む
だけでも辛いですよね…。

でもご安心ください。

全ての作業を詳しくお話しするとなると、まるで整備士3級取得を目指しているかの
ような内容になってしまいますので説明しません(汗)

あくまでも、車検時にどのような作業が行われているのかを大まかに知っていただくと共に、
平均的に交換頻度が高い部品がどのような経緯で交換されているのかを写真を通じて
知っていただきたいと思っています。


という事で、まずは「各ベルト類の点検」に的を絞ってお話ししていきます。
各ベルトとは「パワーステアリング」「オルタネータ」「エアコン」です。

これらはほぼ同じ素材でできており、主に長さと幅の違いがあります。
点検するとなると、同じ点検方法となります。


まず目視点検ですね。

これらの駆動ベルトは主にゴムで成型されておりますので、日々の運転による伸縮
や温度変化、酸化などによって徐々に劣化していきます。
劣化するというのはゴムの弾力が損なわれて固くなるという事です。
ゴムの弾力が損なわれた状態で伸縮を繰り返しますと、徐々にひび割れが発生して
最終的にはポロポロと剥がれていきます。
更に劣化が続くと、ベルトが破れて最悪の場合は切れてしまいます。


パワーステアリングベルトパワーステアリングベルト


写真上側のベルトはまだ正常な状態で、見てすぐに分かると思いますが下側のベルトは見事に劣化
していて溝が無くなっている状態です。

ここまで劣化していると、このまま使用を続ければ近いうちに切れてしまうでしょう。

本来の交換時期は「ひび割れ」が全体に進行してきた時点です。

というのも、ひび割れしている時点でゴムとしての弾力はほぼ無くなっております。
その時点で、何かしらの力が加わると溝はポロポロと取れてしまいます。
ひび割れがある=すでに溝が取れていると考えても良いくらいです。


パワーステアリングベルト損傷パワーステアリングベルト損傷


写真下側の劣化したベルトを使い続けた結果が上のベルトです。

これ以上使用を続けていたら、間違いなくブチッと切れていたでしょう。
本当にギリギリセーフで交換できたという典型的な例といえます。

部品の寿命までしっかり使いましょうと私は言っておりますが、上のベルトはすでに寿命を超えて
いますのでこれだとやりすぎレベルです。

幸いこの車は大事に至らなかったので良かったですね…。
もしベルトが切れてしまうと駆動している部品が機能しなくなるのは当然ですが、それ以上に
大きなダメージを負う事があります。

ベルトが切れる時は当然ですがエンジンが始動しています。
という事は、様々な回転部が高速で駆動されていますので、切れたベルトが回転部
に巻き込まれてしまう可能性があります。
各ベルト類は隣り合った位置にレイアウトされている事もよくありますので、一つ切れると切れたベルトが
隣のベルトに巻き込まれた状態で回転し、まだ切れていないベルトが外れたり切れてしまう事があります。
まさに二次災害という感じですね。
巻き込まれたベルトの影響でエンジンへの負荷が大きくなり、エンストしてしまう場合もあります。

基本的に走行中のエンストはガス欠でない限りは何かしらの問題を抱えています。

きっと無意識のうちにエンジンを再始動しようとスタータ(セル)を回すと思いますが、それでも掛からなかったり
スタータの回りが悪かったりしたら一度再始動するのをやめましょう。
何を見たらいいのか分からなくてもいいですので、とりあえずエンジンルームを覗いてみましょう。

・煙が出ていないか?
・ベルトが切れていないか?


たったそれだけ見るだけでも、このままスタータを回して大丈夫かを判断する事ができます。
上記のいずれかに当てはまる時は再始動は中止、速やかにロードサービスを呼びましょう。

ちなみに、オルタネータのベルトが切れると電気を発電できなくなります。
電気を発電できなくなると、エンジンを回す為の全ての電気をバッテリから強制的に送られることになります。
つまりバッテリがなくなった時点でエンジンは停止、全ての操作ができなくなります。
もちろんバッテリがなくなる前に充電警告灯が点灯したりヘッドライト消灯などの予兆がありますが、
それに気づかなければ突然エンストした様になります。

もちろんスタータは全く動きませんので再始動不可能です。


またまた話しが反れますが、エンストした時の車の特徴を少し…。

エンストしたら当然ですがパワーステアリングは機能しません。
今まで軽い力で操作できていたハンドルが急に重たくなりますので、想像以上に重たく感じると思います。
⇒パワステベルト損傷時も同じです。

それよりも大変なのがブレーキです。
別のページで説明しておりますが、車にはマスタパワーというブレーキ力補助装置が付いています。
もしマスタパワーが無かったら、驚くほど車のブレーキは効きません。

エンストした時点でマスタパワーは機能しなくなりますが、万が一の時のために数回(1〜3回)までは
ブレーキ力補助をしてくれるように作られています。
何が言いたいかというと、エンストしたら極力無駄なブレーキを避け、できれば1回のブレーキ操作で
停止するようにしてください。
腰が浮きそうになるほどブレーキが効かなくなります。

「エンストしたらブレーキ操作は1回で完結させる!」

これだけはしっかりと覚えておきましょう。命に関わりますから…。


色々脱線しておりますが、それほどベルトが切れると影響が大きいのです。
という事で点検方法の続きを。

目視点検の次は張力点検です。要はベルトの「張り」が適切であるかを確認します。

正式なサービスマニュアル(分解整備書)にはきちんと定められた張力測定方法が
掲載されておりますが、実際の現場ではそのような面倒な事はしていません。

単純に指で押して確認するだけです。


ベルト張力点検ベルト張力点検


多少の経験が必要となりますが、基本的にベルトの張力点検は指で押して確認します。

ベルトの張りは部品の耐久性や機能、エンジンの出力に大きく影響しますので、強すぎず弱すぎずが
非常に大切となります。

点検して異常が発見されたら、張りの調整もしくはベルト交換を行います。


とは言っても、何も知らない人が指で押しても合否判断ができません。
ここは経験だけが物を言う「感覚」の世界でしょう。

ベルトの張力が緩すぎると、ベルトが外れてしまったりベルトが滑って駆動するはずの
部品が正常に機能しなかったりします。もちろんベルトの消耗が早くなってしまいます。
逆に強すぎても駄目で、ベルトの消耗が早くなります。広い視野で考えるとエンジンへの負荷が
大きくなってしまい、燃費の悪化やベルトを駆動している部分のベアリングが壊れてしまったりします。

何か難しい文章になってしまっていますが、要は

「強すぎず弱すぎず!」

何でも適切が大切という事ですね。

ベルトの張りに異常が発見されたら、可能であればベルトの張り調整をします。
調整をしても張りが適切にならない場合は「ベルトの伸び」が限度を超えていると考えてベルト交換となります。


ベルト自体はタイミングベルトと同じく非常に安いものですが、切れてしまうと運転に大きく影響してしまったり
エンストしてしまったりと大変な思いをしますので、やはり定期的な点検が大切になります。



という事で、ベルトに関するお話しはここまで。ここからは残りを一気にお話ししていきます。


「えええ!?一気にってかなりボリュームあるぞ!!!」


という声が聞こえてきそうですが、実はそうでもないんですよ。

車検時や定期点検時において、エンジンルーム内を点検する時間って意外と少ないのです。

なぜかというと、見るところが少ないというのもありますが、根本的に

「見ただけでは分からない!」

部分がほとんどだからです(笑)

見て分かる部分、つまりはベルトの状態やエアクリーナの汚れ具合、油脂類の量はもちろん確認しますが、
それ以外は全体を見渡しておかしな所が無さそうであればOKという感じでしょうか。

ですので、実際の時間で換算してみると「平均して10分以内」です。

これを踏まえて?話しを進めていきますね。


まずは「スパークプラグの状態」です。

車によってスパークプラグを取り外すまでの手順が大きく異なりますので詳しい事は割愛しますが、
一般的にスパークプラグの点検をする時は一つだけ取り外して点検します。
ピストンが4つでも6つでも8つでも一つしか確認しません。
仮にピストンが4つだとするとスパークプラグは4つ装着されている訳ですが、普通は4つを同時に
交換されているはずです。
新車から交換していない場合はもちろん新品を4つ同時に取り付けています。
となると、4つのプラグは同じ回数点火していると考えられますよね。

つまり、一つを確認すれば他も同じ状態であると判断できる訳です。

ただ厳密に言えば全て確認しないと駄目なのですが、車検整備はとにかく時間を短くする事が
お店の儲けにつながります。
少しでも作業時間を削るように工夫すると、必然的にプラグは一つだけしか点検しなくなるのです。
ひどい場合ですと、スパークプラグの点検をカットする場合もあるようです。
理由としては、スパークプラグは走行距離に比例して消耗していきますので、新品取り付け後からの
走行距離から判断して合否判断ができるのです。
※部品単体レベルで、ほとんどトラブルがないスパークプラグだからできる判断方法と言えます。

私は時間が許す限り全てのプラグを見る派ですけどね…。
プラグキャップ(スパークプラグに電気を送るキャップ)を取り外すと初めて分かるオイル漏れなどが良くありますので。


次に点火時期の点検ですが、これはエンジンが不調でない限りはやりません。

「ディストリビュータのキャップの状態」ですが、そもそもディストリビュータのキャップって何?
って感じだと思いますので少しだけ説明を。

スパークプラグはピストンの圧縮時期のタイミングに合わせて点火をしている訳ですが、ちょうど圧縮時期に
来ているピストンに合わせてスパークプラグに電気を分配しているのがディストリビュータです。

ディストリビュータの電気をスパークプラグまで運んでいる導線がプラグコードと呼ばれている物であり、
更に運ばれてきた電気をスパークプラグに直接送りこむのがプラグキャップです。

さて問題のディストリビュータキャップの点検ですが、これはプラグコードがしっかりとディストリビュータに
取り付けられているか?という事であり、単純に目視で確認すれば問題ありません。
念のために取り付け具合を手で触って確認しても良いですね。

ちなみに最近の車にはディストリビュータとプラグコードはお目にかかりません。
プラグキャップにイグニッションコイルを埋め込んである

「ダイレクトイグニション」

という構造が主流となっていますので、この点検項目は将来的には無くなります。


次に「バッテリのターミナル部(端子部)の緩み、腐食」ですが、何も難しく考える事はなく、
単純にバッテリの端子部を手でググッと揺らして動かなければOK。もし動いたら増し締めしてしっかりと固定します。
腐食に関しては、目視で端子回りに青色の「硫酸鉛」が付着していないか確認します。
もし付着していればウエス(キッチンパーパーなど)できれいに掃除してあげればOKです。


バッテリのターミナル部の点検バッテリのターミナル部の点検


電気配線の接続部の緩み、損傷に関しては特に場所の指定は無く、エンジンルーム全体を見渡して
おかしな所が無いかを点検します。
かなりアバウトな点検しかできませんので、ほんの数秒ほど見渡す程度ですね。


次に「排気ガスの色」「CO、HC」の濃度ですが、異常に白煙が出ていたり黒煙が出ていたりしなければ
何もしません。どちらかと言うとエンジンルームの点検では無いのですが…。


次に「エアクリーナエレメントの汚れ、詰まり、損傷」ですが、これもスパークプラグ同様に走行距離によっては
省略されてしまう場合がある点検項目です。

エアクリーナは走行すれば間違いなく汚れる物ですので、少し汚れたくらいで交換していては
非常にもったいない物です。
車検毎に交換しないといけない場合も確かにありますが、普通は5年ほど持つと思います。(車によって大きく変わります)

実際にエアクリーナを点検しているページがありますので参考までにどうぞ。


さて残りは

・燃料漏れ

・冷却水の漏れ

・メターリングバルブの状態
・ブローバイガス還元装置の配管の損傷
・燃料蒸発ガス排出抑制装置の配管等の損傷
・燃料排出ガス排出抑制装置のチェックバルブの機能
・チャコールキャニスタの詰まり、損傷
・触媒等の排出ガス減少装置の取り付けの緩み、損傷
・二次空気供給装置の機能
・排気ガス再循環装置の機能
・減速時排気ガス減少装置の機能
・一酸化炭素等発散防止装置の配管の損傷、取り付け状態


ですが、特に一つずつにこだわる事はしません。
とにかくエンジンルームをざっと見渡し、五感を使って不自然なところが無いか確認します。

・ホース類の外れや亀裂、破れがないか
・油脂類の漏れ、漏れ痕は無いか?
・ガソリン臭くないか?
・配線類に損傷や外れは無いか?

などなど、細かくみているとキリがありませんのでざっと全体を見渡して点検する程度です。


「エンジンルーム内は意外と点検できる事が少ない」

ですので、車検時にエンジンオイルやブレーキフルード等の油脂類を交換しない場合は
10分ほどで作業が終わってしまいます。

点検のメインと思われがちなエンジンルーム点検ですが、実はそうでもないという事を
覚えておいてくださいね♪






オイールは添加物ゼロで究極のエンジンオイルへと進化させてくれる夢のような商品です。

当サイトは運営者のモチベーションのみで作られています。皆様のワンクリックで
モチベーションがググッと上がりますので、「なるほど!」や「役に立った!」と感じて
いただけたなら、モチベーションスイッチのクリックにご協力ください♪



NEXT⇒ 室内点検

おかげ様でカーライフサポートネットは数百ページに渡る規模になりました v(≧∇≦)v
当ページ以外にも多数のコンテンツがございますので、是非とも下のサイト内検索で様々なページをご覧ください♪





関連リンク

メルマガ無料登録へ


ロケットパワーにんじん君ツインGT(長期返金保障付き!)

ロケットパワーにんじん君

オイール

タフマンK

脱★悪燃費走行★のススメ


参考書籍


自動車用語中辞典 普及版 

大車林 自動車情報事典


ホーム車検編>エンジンルームの点検