まずは恒例の点検項目一覧を挙げておきます。
【室内点検項目一覧】 ・ハンドルの操作具合 ・ハンドルの遊び、がた ・ブレーキペダルの遊び ・ブレーキペダルの踏み込んだ時の床板とのすき間 ・ブレーキのきき具合 ・パーキングブレーキレバー(ペダル)の引きしろ(踏みしろ) ・パーキングブレーキのきき具合 ・クラッチペダルの遊び ・クラッチペダルの切れたときの床板とのすき間 |
以上が法律で定められている室内点検項目です。
実際には各スイッチ類の作動や警告灯が点灯していないか等も確認します。
個人的には
・アクセルペダルの操作具合(引っかかりなど)
・ワイパー・ウォッシャーの作動
・各ドアのパワーウインドウの作動
・ドアロックの作動
・室内灯
・発炎筒の使用期限の確認
などなど、定められた項目以外にも色々見ます。
では一つずつ説明していきましょう。
まず「ハンドルの操作具合」ですが、これは
・左右に切った時のハンドルの重さが均等か?
・操作時に引っかかり等が無いか?
などを見ます。
次の「ハンドルの遊び、がた」もそうですが、基本的には「違和感が無いか?」という観点で判断します。
かといって、自分が違和感を感じても持ち主が普通だと思っていれば基本的には修正しません。
もちろん修正しなければ危険な状態であれば修正しますが、それによって運転しにくくなるのは
正しい整備と判断できませんよね。
そこは持ち主からの情報収集や感覚が重要となります。
次に「ブレーキペダルの遊び」ですが、ほとんど調整する事はありません。
ある程度遊びが無ければ常にブレーキがかかった状態となり、大変危険な状態になりますが
普通はありえません。
もしそうなっていたら車検時ではなく通常の修理として入庫しているはずです。
それよりも次の「踏み込んだ時の床板とのすき間」の方が重要です。
エンジンが回っている時(マスターパワー作動時)にブレーキを踏み込んだ時、ブレーキペダルが
床に当たるまで踏み込めたらNGです。
これはブレーキ力を100%使い切れていませんので、床に当たらない状態にしなければいけません。
こうなる原因のほとんどが
・ブレーキフルードの劣化、エア噛み
・ブレーキマスターシリンダ(カップ)の劣化
です。
どちらにしても交換を伴いますが、安全第一で考えれば必ず必要な作業です。
「ブレーキのきき具合」に関しては、車検時に「ブレーキ力」として測定する項目とは別です。
実際に運転してみて、どう考えても効きが悪かったり怖いと感じる場合は原因を探る必要があります。
具体的にはブレーキパッドやブレーキディスクの表面を清掃したり、ブレーキフルードを交換したりします。
場合によっては原因と推定された部品を交換する場合もあります。
次に「パーキングブレーキレバー(ペダル)の引きしろ(踏みしろ)」ですが、一応メーカーが
「基準値」として出している数値があります。
※「パーキングブレーキ=サイドブレーキ」です。
例えばパーキングブレーキレバー(手で操作する物)であれば、
【20kgの力で引いた時、7〜9ノッチ】
のように定められています。
「ノッチ」というのはレバーを引いたときにカチカチという音がする事で、7〜9ノッチは
「7〜9回カチカチ音がする」と解釈してください。
もし基準値外であれば調整をします。
ちなみに調整方法には室内側とブレーキ側の2種類があり、車種によって調整方法が異なります。
「パーキングブレーキのきき具合」ですが、これも車検時に測定する項目とは別になります。
パーキングブレーキに関しては、車検時の測定値が基準値以上であれば全く問題ないのですが、
それでも効きが悪いと感じる時は調整します。
実際はノッチ数の確認だけで、効き具合は車検時以外ほとんど見ていません。
次に「クラッチペダルの遊び」「クラッチペダルの切れたときの床板とのすき間」ですが、これは
実際に運転してみてクラッチがつながる位置が近すぎたり遠すぎたりしないかを確認します。
ただ、今は「油圧」でクラッチを操作する車がほとんどですので簡単に調整ができない場合がほとんどです。
もし調整するとなれば工賃が発生する部分でもありますし、現在のクラッチの状態に慣れている場合は
下手に調整してしまうと運転しにくくなるデメリットもあります。
クラッチペダルから足を離していても半クラッチのような状態になっている等の不具合であれば修正が
必要になりますが、ユーザーから訴えがない限りは調整しない事がほとんどです。
もちろんAT車の場合は省略される点検項目です。
見ようと思えばいくらでも見る場所はある室内ですが、整備工場では時間制限がありますので
必要最低限の部分しか見ません。
重要なのは、普段気になっている部分をしっかりと点検前に伝える事です。
「走行中にドアから異音がする」
「後ろのドアだけたまにロックが効かない」
などなど、事前に伝えていなければ整備士が見てくれない箇所が多いですので、ちょっとした事でも
必ず受付時に伝えておきましょう。
せっかくお金を払って点検してもらう訳ですから、少しでも多くの作業をやってもらえる機会を自ら作りましょう♪
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