ホーム>電気装置基礎編> |
||||||
エアコンの効きが悪い | ||||||
夏、外に駐車していた車のドアを開けた瞬間に 「うわ!?あっついなぁ〜 (>o<")」 とついつい声を発してしまうのはどうしてでしょうねぇ(笑) 言うまでも無く車内が地獄のような暑さになっているのは分かっているのですが、それでもあの熱気と向かい合うとついつい「うわっ!?」となってしまいます。 急いでエアコンを付けてもなかなか冷たい空気は出てこないですし…。 |
||||||
個人的に思うのですが、車内の空気はもちろん、とにかくシートなどが熱くなっているので運転をはじめてもなかなか涼しく感じない原因になっていると思っています。 太ももの裏から背中にかけて50度以上になっているシートに座るのですから、いつまでも暑いのは当然ですよね。 そういう意味で、内装部品への直射日光を防ぐサンシェードは効果がありますよね。 ただ、意外と収納場所に困るんですけどね…。 さて本題に入りましょう。 車のエアコンというのは家庭にあるエアコンに比べると非常に過酷な条件で冷風を出さなければいけないという辛い現実があります。 車は直射日光を浴びていますし、エンジンの熱の影響も受けますし、何と言っても気温を遥かに超えるアスファルトなどの路面温度の影響をもろに受けます。 それもそのはず、車は一般的な指標である気温よりも遥かに高温となっている路面上を走行するわけですから、路面近くの空気を利用するエアコンは直接的な影響を受ける事になるのです。(吸気温度が高い) そう考えると、夏場の昼間にエアコンの効きが悪いのは当然となります。 私の車もそうですが、昼間はエアコンをガンガン効かせていてもそれほど冷えを感じないのですが、路面温度や直射日光の影響を受けない夜間になると少しだけエアコンを効かせているだけでも寒くなってきます。 これらを踏まえますと、主に昼間しか車に乗らない人であれば 「エアコンの効きが悪い!」 という様に感じてしまっても無理はありません。 |
||||||
このような状況でよくあるのは、整備工場内ではエアコンの効きが悪いという事象を確認できない事です。 「エアコンの効きが悪いから修理してほしい」 と言われ、工場内で事象確認を行ってもエアコンは正常に効いてしまうのです。 「特に効きが悪いとは思えませんが…」 と伝えても、実際に昼間に走行中はエアコンの効きが悪い事実がありますので 「そんなはずはない!これが普通だと言うならエアコンの意味が無い!」 なんていうやり取りが実際に起こっているのです。 外気温が何度であっても、空気を冷やすための装置は変わりませんので限度があります。 私のイメージとしては、 「吸気温−25℃」 程度が一般的だと思っています。 例えば気温が35℃であれば、路面付近の温度は50℃近くにまでなっているはずですので、路面付近の空気を取り込む車のエアコンからは30℃程度の風しか出てこないと考えられるのです。 ※極端な例ですので、あくまでもイメージとして捉えてくださいね。 実際に、同じ気温35℃であっても、路面温度が大きく違う昼間と夜間とではエアコンの効きは全然違います。 いかに路面付近の温度が影響しているかが分かりますね。 意外と知られていないのですが、エアコンの効きは走行速度にも影響します。 高速道路を走行中のエアコンというのはとても効きが良いのですが、これは車の前面に取り付けられている「コンデンサ」というラジエータのような見た目の部品に大量の走行風が当たり、エアコンの効きを左右する「冷媒の冷却、液化」を促進するからです。(もちろん吸気温度も違います) ※詳しくはエアコンの仕組みやエアコンの冷凍サイクルのページを参照してください。 逆に街中をトロトロと走っていると、コンデンサに十分に走行風が当たらずに冷媒の冷却が不十分となります。 それだと本来のエアコンとしての機能が働かず、効きが悪い原因となるのです。 特に真夏にこの現象は顕著に現れます。 という事で、エアコンが効いているかどうかは「体感温度」で判断するのではなく、 「吸気温度に対してどれくらい温度が下がった空気が出ているか」で判断しましょう。 限度を超えた夏場の昼間はどの車も効きが悪くなっていますのでご注意を! |
||||||
NEXT⇒エアコンの仕組み | ||||||
|
||||||
|
||||||
おかげ様でカーライフサポートネットは数百ページに渡る規模になりました v(≧∇≦)v |
||||||
関連リンク
|
||||||